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「東雲?」
「お前…」
同じ中学だった東雲と、何故かバッチリと目が合っている。
「東雲、私の事が見えるの⁈」
「見えるって言うか、本体はどこにあるんだよ⁈お前…もうすぐ死ぬぞ」
「…え?」
「本体から離脱して、一定時間離れていると本体の方が機能停止しちゃうんだよ‼︎」
「嘘…そんな、どうしよう」
「早く本体の所に行くぞ‼︎俺が戻してやるから」
「え、東雲戻せるの⁈」
「多少の霊力があるから、多分できる…」
「すごいじゃん‼︎助かる…でも私、今追われてて」
「追われてる?悪霊か何か……の気配じゃなさそうだな」
「色々あって、このラッパを三十分持って逃げなきゃいけなくて…」
「ラッパ?」
「これ…」
「いや、俺にはラッパは見えないけど……ラッパ…相手はもしかして天使、か?」
「そ、そう‼︎そうなの、天使なの。天使が何か浄化だとか言ってて…」
「数千年に一度起こる神の審判の話を聞いた事がある」
「そう、それ‼︎雹だの火の玉で全滅だって…」
「とにかく早く本体に」
「……いや、ダメだよ。私が本体に戻っちゃったら、このラッパをもう持てなくなる。それどころか、多分見えなくなっちゃう」
「…」
「本体に戻れたって、結局ラッパ吹かれて死んじゃうんだよ私。しかもたくさんの人たちも一緒に…」
「……分かった」
そっか、どっち道やっぱり私は…死ぬ運命なんだ。
だったらせめて、このラッパだけは絶対に吹かせない。
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