24人が本棚に入れています
本棚に追加
仮装集団をかき分け走る悪魔。
「ヤバい……キツ…腕、千切れそう」
十五分近く走りっぱなしだ。
東雲が苦しそう…だけど天使の怒りの気配は迷いなくどんどん近付いてくる。
「やっぱり…良いよ。私は…」
「東雲‼︎」
駆け寄って来た救世主は、長身の吸血鬼。
「天野、頼む…野川を抱えて俺と一緒に走ってくれ」
「分かった」
何も聞かずに天野くんは東雲から私の本体を受け取った。
天使を抱き抱えた吸血鬼with悪魔が校舎内を駆け回る。
「野川…三分、後三分だ」
倒れそうになりながらも東雲はずっと並走し続けてくれている。
幽体の方の私に声をかけた東雲に不思議そうな顔をしながらも、天野くんは彼の指示に従って走り続けてくれる。
最初のコメントを投稿しよう!