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「天野…野川の身体を、ここに…置いて」
天野くんは、私の名前を呼びながらも全く別の場所に蹲っている東雲の姿に戸惑いをみせた。
しかし、何かを守っているのだとすぐに察した。
「…そこに、野川がいる?」
そう呟いて、私の本体を抱いたまま東雲の…そして私のすぐ側まで来て腰を下ろした。
「時間になったらすぐにお前を…戻す、から…後少し、頑張れ…」
そう言って、東雲は私の本体に手を伸ばし左手を強く握りしめた。
「…東雲」
何かをずっと唱え続けている東雲が息を乱す。
「東雲?」
「今……元に」
『貴様ら…』
地を這う悪魔の様な声が恐怖を掻き立てる。
『貴様らだけでも始末してや……』
その直後、スッと天使の気配が消えた。
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