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東雲の温かい手と天野くんの優しい眼差し。
五時間目の終わりを告げるチャイムが、まるで私たちの勝利を祝うかの様に鳴り響く。
「東雲…ありがとう。大丈夫、動ける?」
「…あぁ、大した事ない。腕は痛いけどな」
そう言って東雲が笑った。
「うわ、ムカつくわー…」
繋いでいた手を放り投げて笑い返すと
「…無事で良かった」
なんて優しい顔して言うから、思わず絶句してしまった。
「野川は大丈夫なの?」
天野くんの声にハッとする。
「うわ、わ…ごめん」
天野くんの腕の中から慌てて飛び退く。
「目が覚めて良かった。ごめんな、俺のせいで…」
「全然そんな。私こそごめん…ちゃんと助けてあげられなくて」
「そんな事ないよ。ありがとう」
「私の方こそありがとう。天野くんがいなかったら世界が滅亡してた…」
「え?何それ」
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