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カラリと扉を開くと、目の前に映るのは高校よりも低い本棚。
中央で並んでいるのは胸元あたりの低さで、壁の本棚でも私の頭より低い高さだった。
入ってすぐに表紙を見せる形で並んでいるのは、低学年向けや高学年向けの有名な児童書たち。どれも自分が小学生の頃に読んだことがあるお話で、懐かしい。
自分の小学校とは違うけれど、並んでいる本のラインナップ、本棚や机の低さがあの頃の気持ちを思い出させる。今も昔も図書室が大好きで、小学生の頃は特に図書室に入り浸っていたものだった。
あの頃は、休み時間になると賑やかになる教室が苦手で、自分の居場所を見つけられずにいた。だからほぼ毎日、休み時間には図書室に通っていたんだ。
静かな図書室の中で物語の中に没頭していると、あっという間に時間が過ぎていった。その時間が大好きで、図書室に行くために学校に来ていたようなものだったから。
中央の本棚に並ぶ背表紙をゆっくりと人差し指でなぞりながら懐かしさをかみしめていたら、まだ誰も来るはずがない扉が、音をたてないようにカラカラとゆっくり静かに開いた。
「え……?」
驚いて扉の方を振り返ると、そこには低学年らしき女の子が立っていた。
女の子も図書室の中に私の姿を認めて、目を丸くしている。
でも驚くのは私の方だ。
だって今はまだ三時間目で授業中なんだから。
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