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相変わらず、その男は私が資料庫で本を読む時に付いてくる事が多い。
「やっぱ、この扉重てぇ~!麗ちゃん、毎回大変じゃね?大丈夫なの?」
「…また来たの?貴方」
「もぉ~貴方じゃなくて一真だって何回も言ってるじゃん~?」
「…」
そうして、いつもの位置に座る派手な男。
毎回、窓際の椅子に座る私を床に座ってただ見てるだけの何が楽しいの?
世間はもうすぐクリスマス。12月のこんな寒い時期にわざわざこんな所に来なくてもいいのに。
「…貴方、寒くないの?」
「え?」
「だから…寒くないの?ここ、暖房も何もないし、床は冷えるわよ」
「…あ~、大丈夫大丈夫!俺そういうのに強いからっ!心配してくれたの~?ありがとっ!」
「別に」
心配とかじゃない、ただ…顔見知りの人間が体調を崩したりしたら、いい気がしないだけ。それ意外に意味なんかない。
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