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その次の日も、また彼は資料庫にやって来た。
「っもぉ~、この扉のせいで俺、右腕だけ鍛えられるんじゃね?」
「…麗ちゃん、ここ通ってて腕、辛くねぇーの??」
「…開け方があるのよ。一度手前に軽く引いてから開けるとそんなに重くはならないわよ」
「…っえ?!」
「…」
「…あ!マジだ!!…っえ?!麗ちゃん、いつから知ってたの?!」
「貴方がここに来だすよりずっと前から」
「えぇ~?!?」
薄暗い資料庫に響く男の大きな声。余りの声量に思わず、眉をしかめる。
それを見た男は今さらながら口に手を当て、
「あ、ごめん。俺うるさかったよね?」
なんて言ってくる。
(ええ、かなり騒がしかったわね)
なんて本音を言おうかと考えていた。
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