私の好きな子

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「麗〜!おはよっ!」 朝の大学構内、騒がしい廊下を歩いていると後ろからかかる声に私の心臓が音をたてる。 そして香る、ローズの香り。 振り返らなくてもわかる、だって、私の大好きなあの子なんだもの。 私の肩に後ろから細い腕を回し、覗きこんでくるあの子。 ローズの香りが私とあの子を包み込む。 ゆっくり振り返るとそこには、私の親友、天音とその彼氏。 「おはよう、天音」 「うん、おはよ~!麗今日一限からだっけ?」 「うんん。二限からだけど、早くに起きてしまったから本でも読んでいようかと思って」 「あ、そうなの~?あたしなんて毎日時間ギリギリだよ~!」 「でも、間に合ってるからいいじゃない?」 嘘。本当はここを歩いていたら天音が来るのがわかってるの。そして必ず、私に挨拶するって事も全部。
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