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「相変わらずこの扉、重てぇ〜!錆びてんじゃね〜の?」
明るい陽気な声を響かせ入ってくる男。
私の最近の悩みの種、二村一真だ。
「…また来たの?」
「勿論。俺、しつこいよ?」
「貴方、暇なの?こんな所にまで来るなんて」
「ん~暇ではないけど、麗ちゃんと喋れるのここしかないし~?他だったら見向きもしてくれないじゃん?俺の事」
「名前で呼ばないで」
「何で?どう呼ぶかは俺の自由〜」
「……はぁ。」
「ため息ついたら幸せ逃げるよぉ~?」
「……」
窓際の近くの椅子に座って本を読む私の前の床、胡座をかいて座り膝に手をつき顎を載せ、私を見上げる男。
「そこ、床に座ると汚れるわよ?せっかくお洒落な服着てるのに」
「ん~?いいのいいの!こっから麗ちゃん見るのが俺の楽しみなんだから!」
日差しが差し込む窓際の近くに座る笑顔の男。ちょうど日の光りがその綺麗な瞳にかかり、キラキラ耀いて見える。
その男の瞳は綺麗すぎて私なんかを映して汚れてほしくないのに。
(貴方は私には、眩しすぎるわ)
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