1章:全てのはじまり

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彼に頼られることが嬉しくて、自分の仕事が誰かの役に立つのが嬉しくて……。 『それなら、簡単に資料にまとめておきますよ』 『それ助かる……!』 私は彼の手伝いもするようになった。 彼は人には優しく自分には厳しい人。 目標を達成するためにはどんな努力もすると言っていて、それもきちんと有言実行する人だった。 だからこそ嬉しかったんだ。 そんな人の役に立てることが……。 それからプライベートでも食事をするようになり、会う頻度は増えて……。 『あずさちゃん、俺と付き合って欲しい』 海里先輩からの告白を迷いなく受け入れた。 それからというもの、2年の交際を得て私たちは結婚。夫婦となった。 海里さんとだったらお互いに切磋琢磨し合って、きっと……幸せな家庭が築けるだろう。 その時はそう思ってたのに──。
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