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第1話 平凡は崩れかけている。
♦ハチャメチャな授業♦
朝、誠はいつも通りの平凡な日常を送っていた。通学路を歩きながら、彼は自分の足音が寂しく響くのを感じていた。周囲の生徒たちが楽しそうに話しているのを見て、彼は一瞬ため息をつく。しかし、その日が彼の人生を変えることになるとは夢にも思っていなかった。
学校に着くと、教室はいつも通りの静けさに包まれていた。誠は席に座り、周囲を見渡すと、同級生たちが楽しそうに会話している姿が目に入った。そんな中、教室のドアが開き、入ってきたのは新任の先生、長崎瀧子だった。
瀧は明るい笑顔で教室に現れ、「おはようございます、みんな!今日は特別な授業を用意しました!」と元気いっぱいに声をかけた。彼ののハイテンションに、誠は少し引いてしまった。教壇に立つ瀧は、髪を明るい色に染め、カラフルな服装をしていた。その姿は、まるでお祭りのような華やかさだ。生徒たちの中には「おお、面白そう!」といった反応を示す者もいれば、誠のように戸惑う者もいた。
授業が始まると、瀧は「まずは、みんなでゲームをしましょう!」と提案。誠は心の中で「ゲーム?」と思いつつも、彼女の元気に引き込まれるように、その場に座っていた。瀧子は「この授業は、楽しくて学びがあるものにしますから!」と笑顔で続けた。
ゲームの内容は「世界一周クイズ」。各国の特徴を答えるというもので、生徒たちはそれぞれ国の名前を挙げていく。しかし、桜が自信満々に「エジプトは、ピラミッドがいっぱいあるところだよね!」と言った瞬間、誠は思わず笑いを堪えた。彼女の頭の中では、ピラミッドが「いっぱい」という言葉で表現されていることに、彼は内心驚いていた。
瀧は「その通りぃ!!!エジプトはすごい場所よ!じゃあ、次は日本について!」と問いかける。桜はすぐに「日本は、アニメとお寿司の国だよ!」と答える。周りの生徒たちは大笑いし、誠も少し笑ってしまった。
その後も、桜は様々な国に対して独自の視点で解答を続け、瀧子 もそれを引き立てるように「素晴らしい!それに、アニメ文化は本当にすごいよね!」と返す。このやり取りに、誠は次第に彼女たちの独特のノリに引き込まれていく。最初は引いていたが、徐々に興味を持ち始めていた。
授業の後半、瀧子は突如として「では、次はエクササイズをしましょう!」と宣言。生徒たちは驚いたが、瀧子は「座ったままできるストレッチですから、安心してね!」とニコニコしながら指示を出した。
「まずは、手を挙げて、体を左右に伸ばしましょう!」と彼女が指示すると、生徒たちはおそるおそる動き始めた。しかし、桜は「こうやって、左右にぐるぐる回すのが大事だよね!」と言いながら、思いっきりぐるぐる回り始めた。その様子に、周りの生徒たちは笑いをこらえきれず、誠も「これがストレッチなのか?」と心の中で突っ込む。
結局、桜の無茶なストレッチのおかげで教室は大盛り上がり。誠は周囲の生徒たちと共に笑いながら、少しずつこの新しい授業に楽しさを見出していく。彼の心には、少しずつ変化が訪れ始めていた。
♦笑撃のランチタイム♦
翌日、誠は昼休みに友達と一緒に食堂へ向かった。普段なら平凡なランチタイムのはずが、今回は違った。教室を出ると、ふと視界に入ったのは、桜と瀧子 が楽しそうに話している姿だった。桜は手を大きく振り上げながら「先生、今度は一緒にお弁当食べようよ!」と大声で叫んでいた。
それを聞いた瀧子は「もちろん、いいよ!でも、私のお弁当は特別だから、楽しみにしててね!」と応じた。そのやり取りに、誠はまたもや「なんだ、この二人は……生徒と先生と言う組み合わせって…」と思いながらも、心のどこかで彼女たちの明るさに惹かれている自分がいた。
昼食の時間、誠は自分の弁当を食べながら周囲の様子を伺っていた。すると、教室の隅で桜と瀧が弁当を広げているのが目に入った。二人の弁当はカラフルで、見た目がまるでお祭りのようだった。
「これが私の特製お弁当!カラフルなフルーツと、アニメのキャラクターのおにぎりだよ!」と桜が言うと、瀧は「ほんとに可愛い!僕のは、お魚の形のオムライスだよ!」と返した。その瞬間、誠の心の中で何かが弾けた。「え、オムライスが魚の形?そんなの作れるのか?」と驚きがこみ上げた。
桜はさっそくオムライスを見て「それ、私も作ってみたい!でも、私のはもっと可愛いのがいいな!」とワクワクした様子で言った。その言葉に瀧は「じゃあ、次の料理教室で一緒に作ろう!みんなにも教えてあげるから!」と返し、二人は楽しそうに笑い合った。
その様子を見て、誠は「こんなに楽しい食堂の風景、今まで見たことない本当にどうなってんの…」と思わず微笑んでしまった。そして、桜の明るさと、瀧のユーモアに少しずつ心を開いていくのを感じていた。
昼食が終わると、桜は弁当の余りを手に取り、周りの生徒たちに配り始めた。「皆も食べてみて!これ、美味しいよ!」と言いながら、彼女は次々と友達に振る舞っていく。その姿を見た誠は、思わず「この子、すごいな……本当に…」と感心した。
その時、誠は桜が何かを思いついたように顔を明るくさせた。「ねぇ、みんなでピクニックに行こうよ!瀧先生も一緒に!」と提案した。生徒たちの間に驚きと興奮が広がる中、誠は「なんだか楽しそうだけど……俺はどうしよう」と思いながらも、その提案に興味を持ち始めていた。
と言うか普通に考えてやばくないか?なんだこのクラスは…
桜の提案が受け入れられ、みんなでピクニックの準備を始めることになった。誠は、彼女の明るさが周囲の雰囲気を変える力を持っていることに気づき始めていた。まさに桜のような存在だと感じながらも、彼はその輪に入ることに少しずつ慣れていく。
✻✻✻
(注 これは数学の授業をする予定だった時間を勝手にピクニックしています)
ピクニックの準備が進む中、誠はクラスメートの一人、健と話しながら周囲を観察していた。桜はお弁当だけでなく、ピクニックのための飲み物やお菓子も配る計画を立てている様子だった。彼女は「私がすべての飲み物を持っていくから、みんなは食べ物を用意してね!」と宣言し、元気よく手を挙げていた。彼女のエネルギーはまさに太陽のようで、周囲の生徒たちをも明るく照らしていた。
誠はその様子を見ながら、つい「桜って、本当に楽しそうだな。こんな元気な子、今まで見たことない僕もこんな性格が良かったな。」と思っていた。彼の心に小さな変化が起き始めていたが、まだ少し距離を置いていた。
そして、ピクニック当日。桜と瀧は自作のデコレーションされたバスケットを持ってきて、まるで映画のワンシーンのように華やかだった。桜は「みんな、これが私のピクニックバスケット!すっごく可愛いでしょ!」と誇らしげに見せていた。
一行は学校の近くの公園に向かい、緑に囲まれた芝生の上でシートを広げた。みんなが食べ物を取り出すと、桜が「じゃあ、まずはこれから食べよう!」と言って、持ってきたクッキーの缶を開ける。すると、中からはカラフルな形のクッキーがいっぱい出てきて、みんなの目を引いた。
「桜、すごい!こんなに可愛いクッキー、どうやって作ったの?」とある女子生徒が尋ねると、桜は「それは秘密だよ!でも、アニメのキャラクターに似せて作ってみたの!」と答えた。彼女の言葉に、周囲は驚きとともに大笑いし、誠も思わず笑顔を浮かべる。
その時、瀧が「じゃあ、みんなでクッキーを使ったゲームをしようか!」と言い出した。生徒たちは興味津々で「どんなゲーム?」と聞く。瀧は「クッキーを積み上げて、倒れたら負けっていうルールで、どれだけ高く積み上げられるか競争しましょう!」と提案した。
生徒たちは大はしゃぎし、早速ゲームが始まる。桜は嬉しそうに「私が一番高く積むから、見ててね!」と言い、早速クッキーを積み上げ始める。彼女の手元は器用に動き、積み重なっていくクッキーが次第に高くなっていく。しかし、周囲が見守る中で、誠はその光景に思わず心を躍らせる。
ゲームが進む中、桜は「よし、これで最高記録を更新するぞ!」と大声を出す。その瞬間、手が滑って、彼女が積み上げたクッキーが崩れ落ちる。「ああっ!」という悲鳴があがり、みんなが笑い転げる。その姿を見て、誠も思わず笑ってしまった。
「大丈夫、大丈夫!これはまた挑戦すればいいだけだよ!」と瀧子がフォローすると、桜は「そうだね!次こそは成功させる!」と明るく言い返す。彼女のポジティブな姿勢に、周りの生徒たちも元気をもらい、再びゲームが始まった。
その後、昼食を食べる時間になると、桜は「さあ、私の自慢のオムライスを食べてみて!」と瀧子に振る舞う。瀧が一口食べると、「これ、すっごく美味い!桜、天才だ!」と褒める。その言葉に、桜は嬉しそうに「ありがとう!でも、私も先生のオムライスが食べたかった!」と返す。
その後も、みんなで楽しくおしゃべりしながら食事を続け、笑い声が響き渡る。誠は、彼らの楽しさがどんどん伝染していくのを感じながら、少しずつ心がほぐれていくのを感じていた。「こんな楽しい時間、久しぶりだな」と思いながら、彼は自然と桜と瀧子のことを好意的に見つめていた。
(注このピクニックは数学授業から変更して行っております)
♦第1話の締めくくり♦
ピクニックの最後に、瀧が「そんじゃ、最後にみんなで記念写真を撮るぞ!」と言い出す。生徒たちは集まり、カメラを持った瀧子が「ハイ、チーズ!」と叫ぶと、全員が笑顔でポーズを決める。その瞬間、桜が誠の隣に並んで、「ねぇ、誠も一緒に撮ろうよ!」と誘う。
誠は一瞬戸惑ったが、周りの生徒たちが「おいで!一緒に撮ろう!」と促すので、渋々前に出ることにした。その瞬間、桜は彼に近づいて「ほら、もっと笑って!誠、顔が硬いよ!」と笑いかける。彼女の言葉に思わず緊張がほぐれ、誠も少しだけ笑みを浮かべる。
撮影が終わり、みんなが楽しそうに感想を話し合う中、桜がふざけて誠のことを「誠くん、今日のピクニック、どうだった?」とニヤニヤしながら聞いてきた。誠は「楽しかったけど、もう少し静かにしてほしいな」と茶目っ気たっぷりに返す。
周囲の生徒たちはそれに反応して大笑いし、「誠、桜をからかっちゃダメだよ!」とツッコミが入る。桜は笑いながら「大丈夫、誠くんも面白いから!」と返すと、誠は少し恥ずかしそうに頭をかきながら、心の中で「少しだけ、彼女たちのことを好きになってきたかも……」と感じていた。
滝先生はこのピクニックのことがバレ校長に叱られました。クビになってもおかしくないかも…
続く。
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