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と腕を組みながら憤った。 何だか見た目のイメージと違って戸惑う。
「おお。すまん。まだ伸びるぞ。きっと」
俺がそう言うと少年は、バッと両手を上にあげた。気付かなかったが手には一冊の本を持っている。
「ちがう、ちがうよ、きみ。ボクの言いたいことはそういうことじゃないよ。ボクの容姿に、出で立ちに。質問をないがしろにされてしまう哀しさを訴えているんだよ。うっかりとボクが眉目秀麗であるばっかりに、調査もままならないじゃないか」
思わず後ずさんでしまう。ちいさな子にきみと呼ばれるのは、なんだか不思議な気持ちになってしまうものだった。俺が下がった分。いや、それ以上にもっと少年が詰め寄ってくる。
「今、一歩ひいたね。そしてボクの可憐な背たけを上から下へと値踏みしたね。ははん、大方『きみ』と呼ばれることに抵抗をもったんだね。なぜだか決めつけているようだけれど、まだわからないじゃないか。ボクの方が年上なのかもしれないよ?」
おお、少年も姉とおなじように心を読めるのだろうか。そして勝手に心の俺と会話をしている。だが一理あるなと思い、たじろぎながらも名乗ろうとした。
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