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現場百遍は警察の言葉だったかなと思い出していると、
「Kさんは謎を飲み込んだよね」
とまた言われ、なんだか悪いことをしてしまったような気にもなってくる。
しかし、メフィストは薄くほほ笑む。
「それでもまだKさんはいい方さ。謎をみつけられる、きみのその目もまた才能だよ。多くのひとはね、謎そのものをみようともしていないんだもん」
それは褒めているのかと首を傾げた。
「予兆はあるというのにさ。些細なことすぎて、ひとは気付かないんだよ。謎がまるで火のように大きく育ちきってからかな。おおごとになっちゃってからようやく、『ああ、不思議だな』となるわけだね」
すこし陰のある笑みを浮かべていたが、
「それはそれで楽しいのかもね」
パッと明るい笑顔を作り直す。
「だからこそさ。ボクは自分の足で出向いて調べるしかないわけだよ。ひょっとしたらKさんも、すこしは探偵になれる素質があるのかもしれない。まあ、このボクには遠く及ばないのだけどね。さあ、気を取り直して現場を調べにいこうじゃないか」
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