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姉はやれやれと息をつき、
「アンタは優しいよ」
今度は眉根を寄せて困ったような表情でつぶやいた。
その困った顔は俺がするべきだと思うのだが。のっそりと部屋を出ていこうとすると、背に元気いっぱいな声を投げられる。
「気をつけて行きなよ」
何にだ、車にか。はたしてそれは高校生にかける言葉としては相応しい物なのか。まるではじめてのおつかいのような気持ちで送りだされることになった。まさかと思うがこっそりとあとをつけてきやしないだろうなとふり返って確認しておく。
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