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スマイルくんは大きく頷いて、どこかへ走って行きました。
『死にたい』
『なんで生きてんだ…』
『こんな俺なんか…っ』
先程の、悲しい声が、何度も何度も、スマイルくんの耳に届きます。
スマイルくんは、
「待ってて。今、僕が行くよ!」
と、呟いて、全力で走ります。
辿り着いた先は、どこなのか。
真っ暗で、寒い場所に、スマイルくんは辿り着きました。
そこは、どこかの屋上のようです。
そして、目の前には、大人の男性が1人、座り込んでいます。
男性は、とても疲れ切った顔をしていて、目には、光など宿ってはいませんでした…。
「ぜんっぜん、晴れねぇ…。酔っても、変わんねぇ…。死にたい…。これ飲んだら、もう死ぬか…」
男性はそう言うと、何本目かの缶ビールを、喉に流し込んで行きます。
スマイルくんは一瞬、悲しそうな顔をして、かと思ったら、すぐに、いつものような満面の笑顔に戻って、男性の肩に、座りました。
そして、元気よく、自己紹介を始めたのです。
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