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「どう?どう?思わず、笑いたくなったでしょう〜?いいんだよ〜?笑いたいの、我慢しないでね☆」
そう言って、リュウガくんの目の前にいるスマイルくんの顔は、思わず、吹き出してしまいそうなほどに、面白い顔をしていました。
スマイルくんの得意技、変顔です。
濃い化粧をして、真っ赤な口紅で、頬に渦巻きを描き、口を思い切りとがらせ、目は、虹色のパンダ目のよう。
スマイルくんの変顔は、泣いている人や、落ち込んでいる人を、一瞬で笑わせることのできる、魔法のようなものでした。
けれど…。
「…なんだよ。変な化粧しやがって。変顔とか、意味分かんねぇ…。もういいか?俺は、死ぬんだ。邪魔すんな」
リュウガくんは、スマイルくんの変顔に、クスッとも笑ってくれません…。
スマイルくんは、自信満々だった変顔が、効果を発揮しないことに、悩みました。
悩んだ末、スマイルくんはまた、別な変顔をすることにしました。
けれど、何度やっても、結果は同じ…。
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