ハロウィン前夜

1/35
前へ
/58ページ
次へ

ハロウィン前夜

ハロウィンの日が、前日にせまった夜のこと。 どこかで、誰かが、夜な夜な、電気もつけず、暗い部屋の中、たったひとつのロウソクの光が(とも)る場所で、何かを、していました。 ドアが少し、開いたまま…。 さて、ここはどこで、一体、誰が何を、こっそりとしているのでしょう…? 「ギャ〜〜!!!」 突然、誰かが、悲鳴を上げました。 悲鳴を上げたのは、マシュマロのように真っ白くて、まん丸い頭をしている、スマイルくん。 太陽のような笑顔と、ひまわりのネックレスが特徴です。 スマイルくんの悲鳴に、ロウソクの光だけが灯る場所で、こっそりと、何かをしていた、誰か、が、思わず、バッと、勢いよく振り返りました。 その顔は、ロウソクで照らされ、スマイルくんの目には、涙が。 しかも、その誰かは、何か先のとがった物を持っていて、キラリと光ったのです。 「ギャ〜〜〜!!オバケ〜〜〜!!お守りさ〜ん!!」 スマイルくんは、そう叫びながら逃げるように走り出しました。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加