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けれど、スマイルくんは、恐怖のあまり、お守りさんから離れられず、ハートちゃんの言葉も、届いていません。
「お守りさん、来てよ」
怖がりながらも、スマイルくんはそう言って、お守りさんの手を引っ張ります。
お守りさんは、スマイルくんに手を引かれながら、オバケのいる場所へと足を進めました。
ハートちゃんは、そんなお守りさんの後をついていきます。
「ほ、ほら…。ここ、ここだよ…」
スマイルくんはそう言って、ある、一つの部屋の前で足を止めました。
少しだけドアの開いた部屋。
お守りさんがそっと、覗き込むと…。
「…あ、お守りさん。起こしちゃった、かな…?」
ドアが開き、出て来たのは、濃い青い色の上着を羽織り、フードを被る、カゲくんでした。
カゲくんは、黒い肌と、真っ赤な目、そして、右目に眼帯をしているのが特徴です。
「カゲくん。まだ起きていたのか?スマイルくん、大丈夫だ。オバケじゃないぞ。カゲくんだ」
そう言って、お守りさんはスマイルくんを見ると、ニッコリ笑いました。
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