18人が本棚に入れています
本棚に追加
第四章 切り札の登場
海が行方不明になって数ヶ月が経過した。
捜索が進展しない中、不安と苛立ちを
隠せない玲子とその仲間たち。
日本警察、公安の力をもっても
海の行方を捜索するに困難を期していた。
「如月さん、いったいどうなってるのですか?
山川が行方不明になってもう数ヶ月になります」
玲子と東が語気を荒げた。
「そのことなんだが……」
如月が重い口を開いた。
「横石、おまえ達が帰国して以来、
我が国は、別の潜入捜査官をすぐに
派遣し、山川の行方を追ったが……
彼の情報を得るどころか
まるで神隠しにでもあったように……」
語気を弱める如月。
「手がかりを何も得ることが
できなかった……というわけですか」
東が溜息をついた。
「でも……確か帰国当初、高岡警視正が
如月さんが策を講じていると言われて
いましたが」
玲子の言葉にすぐさま如月が
反応した。
「それなんだが……
やっと準備が整った……というか国から
ようやく許可がおりた……とでも言っておくか」
如月が呟いた。
「国からの許可?」東が呟いた。
如月は、玲子と東にこれからの計画を
話して聞かせた。
「え~、マジすか」驚く東。
「それって……」呟く玲子。
「これはトップシークレット、
警視庁の上層部と我々公安課の
私、横石、東、と山川の近くにいた
人間のみ知らされた任務だ」
「今から奴に会いに行く。
東、横石、俺について来い」
真剣な表情の如月が言った。
最初のコメントを投稿しよう!