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『王子様はお姫様に変な石ころをプレゼントしたりしないわ!綺麗なお花やキラキラしたものをプレゼントするのよ!』
夢見る女の子を通り越している。そんな蘭の周りに男の子は次第に寄り付かなくなった。そんな蘭だったが、彼女が考えた王子様とお姫様ごっこに付き合ってくれる男の子がたった一人だけいた。
「よし!とりあえず見せに行こうかな」
蘭はタブレットを持って家を出る。歩いて向かったのは隣の家だ。隣の家のチャイムを鳴らす。家の住民はすぐに返事をした。
『……はい』
「漫画描けたよ〜!読んで〜!」
ドアが開いてトレーナー姿の男子が姿を見せた。男子は蘭の制服のままの格好を見てため息を吐く。
「お前、家帰ったの二時間前だろ。着替えろよ」
「だって、着替えてる時間があったら漫画を描きたいんだもん」
蘭がそう言うと、男子は蘭のおでこを指で叩く。その顔は意地悪げにニヤニヤと笑っていた。
「着替えを嫌がるなんて、オヒメサマ失格ですね〜!」
黒歴史を思い出した直後だったこともあり、蘭の顔が真っ赤に染まる。蘭はタブレットを持っていない手で男子を叩いた。
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