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「うるさい!さっさと原稿読め!」
「へーへー。お姫様の仰せのままに」
寒いし家入れよ、と言われたので蘭は家の中へと入った。そのまま二階にある男子の部屋へと案内される。蘭の顔に緊張はない。幼い頃から見知った仲だからだ。
南雲蓮ーーー蘭の隣の家に住む彼は同い年で保育園から高校まで一緒だ。クラスも離れたことはほとんどない。そんな蓮は、蘭が夢見る少女だった頃にそばにいてくれた男子である。蘭を一生懸命お姫様扱いをし、王子様とお姫様ごっこに長く付き合ってくれた。
そんな蓮は、ジャンルを問わず漫画が好きだ。蓮の部屋の本棚にはアクションやバトルものの多い少年漫画から、イケメンとの恋愛に胸を弾ませる少女漫画まで様々な漫画が並べられている。その中には蘭の描いた漫画も並べられていた。
(全巻揃ってる……)
知り合いにこうして読んでもらえるのは嬉しいことである。蘭は本棚から適当に漫画を取り、読み始めた。
「ほい。ココアでいいか?」
「あ、ありがと」
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