2人が本棚に入れています
本棚に追加
蓮が気になったという箇所を蘭は真剣に聴く。そして蓮が話し終えた後、大きく頷いた。
「確かに、そういう見方もあるよね。参考になったよ」
「先生の次回作に期待だな!」
小さな部屋に二人の笑い声が響く。しばらくしてから蘭は蓮に訊ねた。
「ねぇ、蓮の初恋っていつ?」
「は?な、何だよ急に!」
蘭の問いかけに蓮は目をあちこちに動かす。その反応を見て蘭はすぐにピンときた。
(なるほど。これは蓮の初恋相手は三次元の人だったんだ)
幼なじみとしてそばにいる時間は長い。お互いに嘘を吐いた時の癖もわかっている。蘭は読んでいる漫画を戻しながら言った。
「いや、初めて恋をした二人を描いたからかな。初恋はカルピスの味とか、初恋は実らないとか、そんなことばっかり考えちゃってさ」
「は?初恋って実らねぇの?」
蓮が驚いた様子で訊ねる。蘭は大きく頷いた。
「八割の人の初恋は叶わないんだってさ。だから、初恋は実らないなんて言われてるの。私の初恋だってアニメの王子様だったしね」
「……でもさ、八割ってことは二割の奴は叶ってるってことじゃん」
最初のコメントを投稿しよう!