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机の上にはタブレットやペンが並び、電源のつけられたタブレットには漫画が描かれていた。高校の制服を着たまま漫画を描いていた草薙蘭はグッと体を伸ばす。
「う〜、ちょっと休憩！」
部屋に持ってきていたカルピスをグラスに注いだ。甘酸っぱいカルピスは、蘭の一番好きな飲み物である。
「おいしい……！」
カルピスを飲みながらこれまで描いた漫画の原稿におかしなところがないかチェックする。蘭は高校生だが、少女漫画雑誌「ハロー」にて漫画を連載している漫画家である。
甘酸っぱい白いジュースを見ながら、蘭はふとあることを思い出す。
（そういえば、カルピスって初恋の味って言われてるんだっけ）
甘酸っぱい味が初めて恋をした時に似ているとか。蘭はそんなことを考えながら漫画の原稿のチェックを続ける。今回描いたのは、真面目な女の子と学園の王子様と言われる華やかな男の子との恋の話だ。
この物語では、ヒロインも男の子も初めての恋という設定だ。チェックをしながらふと蘭は思う。
（私の初恋って誰なんだろう……）
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