299人が本棚に入れています
本棚に追加
ネクタイを選んだ後、また近くの店に入って色々と見て回っていた。
たまたまアクセサリーショップが目について見ていると桜庭さんが「先輩?」と話しかけてきていた。
「ん」
「少しお手洗い行ってきますね、そこにあるので。」
「わかった」
それだけ返事してその背中を見送ると俺はアクセサリーショップの中に足を踏み入れた。
今日のお礼に…。
いやいや、彼女がどんな服装で来るかとか何も知らないのに、それに恋人でもない奴からのアクセサリーって…。
入ってからそんな事を真剣に悩んでいると、白いパールのイヤリングが目についた。
似合いそう。
可愛らしいデザインに、桜庭さんが付けている姿を想像しても何となくしっくり来てしまって思わず店員に声を掛けて購入していた。
別に付けてもらえなくてもいい、今日のお礼。それだけ。
誰に言い聞かせてるのかはわからないけど、そんな風に言い聞かせて思わず衝動買いした。
それから戻ってきた彼女と夕飯を共にして、駅まで一緒に歩く事にした。
最初のコメントを投稿しよう!