前を向く

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「そんな心配だったら明日は朝から一緒に居てよ。」 「え?」 「一緒に行こう、結婚式場まで。」 俺の言葉に桜庭さんは少し驚いた顔をしてこちらを見ている。 ただでなくても大きくて丸い目してるのに、それ以上に目をまん丸くしている。 桜庭さんの返事を待っていると、少し顔を赤くしながらうんと首を縦に振ってくれた。 少しだけ安心して、ほっと息を吐いた。 「じゃあ、明日家の前まで迎えに行く。」 「はい、明日。」 「もう帰れる?さっさと帰って明日に備えよ。」 「ですね。先輩のお陰で思ったより早く終わった~!」 なんて話ながら帰り支度をする。 当然その日の夜は帰っても寝れやしなかった。
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