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こういう時ぐらい、弟らしく声…。
なんと声を掛けるか悩んだけど、今俺が掛けれる精一杯の言葉を送る事にした。
「綺麗だよ、義姉さん。」
そんな俺の言葉に沙羅は少し驚いた顔をすると、それから嬉しそうに笑って「ありがとう、類くん」と礼の言葉を述べた。
隣にいる桜庭さんが何故か泣きそうになっていて、思わず笑ってしまう。
相変わらず俺のことに本人以上に感情が出るの何。
そんな彼女がおかしくて仕方ない。
「そうだ、4人で写真だけ撮ってもらおう!」
そう言いながら沙羅がカメラマンに声を掛ける。
桜庭さんはハンカチを取り出しながら目元を軽く拭いていた。
「ひっどい顔」
「自覚あるんだからやめてください、意地悪。」
「へぇ自覚あるんだ。」
「先輩は少しスッキリ出来たんですか。」
「…うん」
そんな会話を軽くすると、カメラマンが寄ってきて並ぶように指示される。
桜庭さんの腕を軽く掴むと驚いた顔でこちらに向く。
「二次会、行かないで空けといて。」
それだけ言うと腕を離して、俺は言われた通り並んだ。
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