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「おーい、そこの男女の末っ子コンビー」
桜庭さんがこちらを見ると、不思議そうな顔をしている。
末っ子コンビって私達の事ですかね?とでも聞きたそうな。
「覚悟しといた方がいいよ、100面倒な事になる。」
「…昨年が懐かしいですね」
桜庭さんも昨年の記憶はあった様で、苦笑いしていた。
この子は昨年までは面倒側、だったけどね。
予想通り小川をこちらで指導係に付ける事になって一緒にデスクにつく。
今俺の隣には桜庭さんがいて、デスクの空きが無いので正面のデスクに案内した。
昨年と違うのは、彼女ほどのやる気が小川にはないのですぐに反発してくるかもななんて考えていた。
俺も今年も変わらずタスクは抱えているので一つ一つ付いて回るなんてしない。
「早速だけど、これ経理課に渡すついでに挨拶して回っといで。」
「は、1人でですか?」
「もう高校生でもないんだし、大卒の君が1人で挨拶回りできないですなんて言わないでしょ。できるよね」
そう言うと少し困惑した様子だったけど「わかりました」と書類を受け取ってオフィスを出ていく。
隣を見ると彼女と新人の子は居なかったので、一緒に回ってるのかも知れない。
彼女のタスク量も決して少なくないはずだけど、大丈夫なわけ。
面倒見が良いのは良いが、自分の仕事が終わらないなんて事になってはいけない。
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