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いつまで経っても昼に行きそうにない彼女に嘘でしょ、と少し驚いた。
「は、君昼返上でやるの?」
「そうです、時間もないので」
「バカじゃないの、そんな事するならもう1人の子の面倒もこっちで見るよ。ほら、お昼は食べに行く。」
そう言って立ち上がると彼女の手首を掴んで一緒に立ち上がらせる。
昼休憩も取らず働くなんてそんな事あっていいわけない。
「わ、やめてください!」
「間に合わないなら手伝ってやるから暴れんな」
そう言いながら強制的に社食に連れ出す。
本当、何考えてんだか。
𓂃𓈒𓂂𓏸
「いただきます」
と手を合わせて珍しくも一緒に昼食を取る。
彼女は困惑した様子でラーメンに箸を差し込んで持ち上げていた。
「…今日先輩が優しくて怖いです。」
「俺は自分の補佐にちゃんと仕事してほしいだけ。面倒見いいのは良いけど自分のタスクともちゃんと相談しなよね。」
「おっしゃるとおりで」
少し反省した様子でラーメンを口に運んでいる。
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