予想外の感情

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予想外の感情

それからまた今年もあの季節がやってきた、歓迎会。 あまり良い思い出がない。 昨年は桜庭さんに沙羅との会話聞かれてたんだよな。 相変わらず営業2課の飲み会は酒癖の悪い奴らしかいない。 俺は少し離れた席で桜庭さんと新人2人を見守っていた。 新人2人がアルハラ常習犯に捕まっていてそのフォローを桜庭さんがしている。 「(大丈夫なの、君もそんなお酒強くないくせに。)」 そして標的が新人から桜庭さんに変わった。 ああもう、本当。 人を助けようとして自分を犠牲にしてさ。 自分を大事にしなよ。 助けに入ろうか悩んだけど、俺も面倒な先輩の愚痴に付き合わされていた。 全く話は届いてこないけど。 もう泣きまくってて何言ってるんだかわからない。 聞いてるだけで無理に飲まされなくて良いからマシなのかもしれない。
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