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2時間ほど経った。
それまでソファーで寝転がったりしてみたけど寝られるはずがない。
別部屋に桜庭さんが居るってだけでこんなに落ち着かない気持ちになるなんて。
スマホで動画を見たりしながら時間を潰してみたけどどれも集中できず何も身に入ってこない。
本当、無駄な時間過ごしただけ。
水でも飲もうと立ち上がってキッチンでグラスに水を入れてそのまま口に流し込んでいると寝室のドアが空いた。
桜庭さんと目が合うとどんどん顔色が青ざめている。
「具合は」
「それはもう、はい。すみません、本当に。」
「そう」
会話をしながらさっとグラスを洗って、手を拭いて桜庭さんの方に近付く。
酒はまだ抜けてないと思うけど先程の酔いはなさそう。
本当に体調が悪くないか確認しようとすれば、桜庭さんは口元を抑えて少し俺から距離を取る。
「(は?)」
「あの、離れてもらっていいですか」
「…あいつに身体触らせといて俺が近くにいるのは嫌なの?」
「え?」
なにそれ、君。
俺が好きなんじゃなかったの。
もう好きなんかじゃ無くなった?
拒絶されたのが意外にも結構ショックだったのか、やりきれなくなる。
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