最後の恋は君がいい

自覚してしまった感情

昼休み、コーヒーを買いに来た俺の元に電話がかかってくる。

こんな急に電話してくるの沙羅しか居ない。

俺がちょうど落ち着く時間を知って見計らって掛けてきてるんだろうな。

「沙羅、そろそろ急に電話してくる癖やめない？」

『えー、何か予定あった？』

「一応職場なんだよね、で、何。」

『ふふふ、今日ね充くんが帰り遅くて退屈なんだよね。郁ちゃんとご飯食べに来ない？』

何でこのタイミングなんだろうな。

沙羅は俺達の事監視してるんじゃないかってぐらいのタイミングで桜庭さんと一緒に誘ってくる。

『てか、類くんが急に電話してこないでとか言うの初めてだね。』

「…そんなん今までが変だったでしょ。」

沙羅の言葉に適当に返事をした。

そりゃ、沙羅の声がいつでも聞きたかった前と、今は大事な子がいて状況が違うでしょ。

沙羅と電話して、もしかしてまだなんて勘違いされたくないし。

もうとっくに吹っ切れてるのにそんな邪推されて面倒な事になりたくない。

『郁ちゃん？』

そう言われて思わず咳き込む。