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「何言ってんの、沙羅。」
『図星かあ。本気で好きになっちゃったんだね。郁ちゃんのこと。』
「…本当、何でそういう所だけ鋭いの沙羅。」
自分への好意はどこまでも鈍感なくせに。
沙羅は楽しそうに電話の奥で笑っている。
『2人お似合いだと思うな。』
「…簡単に言わないでよ。」
あんなやり取りをしたすぐ後に俺にはそんな気にならない。
きっと交際しても大事には出来ない。
それにそんな未来があったとしても付き合うのも、今じゃない。
そんな事を考えていると『今日待ってるよ』と言いながら電話を切られてしまった。
本当、沙羅は自由で羨ましい。
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