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「何で俺が好きだって言いながらあいつに触られる隙作るわけ。君が必死になってあんな飲まなくていいのに酒に呑まれて簡単に肩抱かれて。持ち帰られたらどうすんの」
「だから、そんなんありえないって言ってるじゃないですか!また同じ話で喧嘩するつもりですか!?」
「君のその危機感の無さがムカつくんだよ。いつも誰かの気持ち動かしてる事にも何も気付いてない。」
「…何が言いたいんですか、本当。ムカつくなら離れたら良いじゃないですか!」
「それが簡単にできたらとっくにそうしてる」
離れたいよ、俺だって。
早くさっさと君を手放して、もっと他の誰かと幸せになればいいのになんて思ってる。
それなのにいざその場面を見たら自分でも制御が効かなくなって、離したくなくなる。
「先輩、本当にわからないです。どういう意味ですか、はっきり言ってください。」
「…君と一緒にいると乱される。しんどい。」
本当、面倒だししんどい。
いっそどこにも行かせずに閉じ込める事が出来たらこんな感情にならずに済むのに。
沙羅と兄さんが一緒に居てもこんな感情になることなんてなかった。
沙羅の目に俺が映ってないのわかってたから平気だったのか、こんな嫉妬とかする事そんなになかった。
「小川と君がいる所見たくないんだよ。」
「…は?」
心の中で考えていたはずの事が思わず言葉として漏れて俺は慌てて口元を隠す。
何言って…俺。
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