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俺の言葉で涙を流す彼女をそっと抱き寄せて、軽く頭を撫でる。
「嫌い、先輩ずるい」
「うん」
「バカ、鬼畜、ひねくれ」
「…うん」
俺の腕の中で文句を言う彼女の言葉を今だけは素直に受け止める。
そんな悪口を飛ばす彼女ですらも愛しいなんてそんな事思う日が来るなんて思ってなかった。
俺だって好きだよ。好きだけど。
こんなヘタレでどうしようもない自分に溜息が出る。
「嫌いじゃないです、大好きです。」
「はいはい」
そのまま彼女を離さない様に抱きしめて。
もう泣かさない様になるまで。
君を笑顔にしてあげられる男になるから。
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