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俺の初恋の人
───類くん、私充くんと付き合えることになった!
こんな報告を受けたもう6年前。
俺がまだ高校2年の時だった気がする。
そろそろ卒業してしまう初恋の相手に告白しようかと考えていた矢先に、そんな報告を受けた。
俺の初恋の相手は1つ上の幼馴染みだった。
白羽 沙羅。
俺が物心着いた時には既に好きだった相手。
充くん、と呼ばれた相手は俺の年子の兄だ。
その時の返事を俺はまだ覚えてる。
『…そっか、良かったじゃん。お互いずっと好きだったもんね。』
兄さんを好きだと沙羅から相談されていたから当然沙羅が好きなのは知っていたし、兄さんは見てからに沙羅を好きなのを知っていた。
せめて叶わなくても振られたら俺の気持ちも晴れるんじゃないかと思っていたけど、遂にあの日行き場を無くした。
「(伝えさせてもくれねぇのかよ。)」
そんな風に思ったけど、俺は結局それから沙羅に1度も気持ちを伝えられず、忘れることも出来ずに拗らせた。
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