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購買部のミスター・ダンビー
購買部ではなんでも売っている。お弁当に流行りのお菓子、学校指定の書籍や道具はもちろん、水晶ヤマアラシのトゲや月光を編んだ組紐といった希少品まである。店主のミスター・ダンビーは、丸眼鏡をかけた温厚な垂れ耳兎の半獣人だ。いつも親切で、生徒からの評判も良い。
そんな彼には意外な弱点がある。以前、歌声のコロンを取り寄せた時のこと。品物を受け取った私は嬉しくて、それを彼の目の前で開封した。ワンプッシュで川のせせらぎのようなすがすがしい香りと、柔らかなハミングが広がる。その瞬間、ミスター・ダンビーが床に倒れた。白目をむいてガタガタ震えている。
「ローレライ……は……ダ……メ、昔の、彼女が……こ、怖く、て……」
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