私と天使

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みんなが飛鳥のことを「天使のようだ」と言っている。私にはどうしてもそうは思えなかい。だからと言って、みんなの前で飛鳥の正体を暴いてやろうとまでは思わない。 たとえば飛鳥が本当は悪魔だったとしても、それはそれで構わないだろうと思う。だって、実際にそうだったとしても、私に困ることなどひとつもないもの。 魔女だったとしても、狼男だったとしても、幽霊だったら…怖いかな。悪い女の人、ああ、「妖婦」っていうのか、それだとなんだか香水臭くって面倒くさそう。カボチャのお化けだったら一緒に楽しく踊れるかな。っていうか、馬車になってもらって、乗せてもらった方が楽しそう! え?なんの話だったっけ? そうそう。天使とは言っても、死神の手下にされてしまう天使だって、羽をもがれて悪魔界の王様になってしまった天使だっているんだよ。だから、「天使」なんてひとことで言っても、山のものとも海のものとも分かりゃしない。 だからさ、飛鳥が天使みたいかどうかは、私にはどうでもいいことなんだ。 飛鳥が私の友だちになってくれるって言うなら、それはそれで嬉しいんだけど、無理にお友だちになってくれなくってもいいんだよ。だってさ、ほら、私にはこうして話を聞いてくれる聖ってダチがいるからさ。
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