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天使先輩の弱点
「大豆?」
私は手に持っていた豆腐入りの袋を掲げた。もしかして、これか。
「先輩、コレ」
「やめろ! それを近づけるな!」
「ほい。ほい」
「くっそおお」
イケメンが豆腐を怖がっているのが面白い。
私は何度か豆腐を突き付けた後、それを背後に隠した。
「私に何かしようとしたら、豆腐出します」
「……お前、鬼である俺にいい度胸をしているな」
「鬼、だったんですか。道理で棘みたいなのが」
「角な」
天使先輩は雑にフードを取った。随分と立派な角だった。額は一本の角が付いている。触ったら痛そう。
「鬼だから、豆が嫌いだと」
「ああ」
「そこの設定は昔話に忠実なんですね」
「設定じゃねえ」
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