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まだ出発して間もない会社だ。
社員数も少ないし、オフィスも狭い。
だが、いつか、うちの一族の会社に並ぶような会社に――。
……いや、そういう方向性じゃなくていいんだよな、今どき。
そんなことを考えながら、
晴乃からのメッセージを見て、まだ止まらないにやけ顔を引き締め、友人を振り向いた。
「うち、今日、嫁さん実家に帰っててさ。
何処か近くで食べて帰らないか?」
それは付き合ってやりたいところだが、と思いながらも充悟は言った。
「あー、すまん。
俺、今日は帰って、プリプリの小指を食べないと」
「……なんだって?」
と友人が訊き返してくる。
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