655人が本棚に入れています
本棚に追加
「おねえさまからの愛はあるのかって?
意外にもラブラブじゃない」
充悟は、そんなことを晴乃の実家で、杏奈に言われた。
玄関ホールのソファで、大輝と勉強していた杏奈に尋ねてみたのだ。
「だって、この間、おねえさま、言ってたわ。
勉強教えてくれるときみたいな真顔で。
太って見えたり、やせて見えたり、鏡によって映り方が違うみたいに。
それぞれの人の目にも、目の形や水晶体や網膜の違いで、すごいイケメンに見えたり、この世に二人といないイケメンに見えたりするのかしらって。
どうも、おねえさまの目には、充悟さんが、この世に二人といないイケメンに見えているらしいのよね。
普通にかなりのイケメンだけど、この世に二人といないというほどじゃないっていう真実を伝えたら、小首を傾げてたわ」
おねえさまみたいな方でも、愛で目は曇るのね、と言う杏奈に、充悟は言う。
最初のコメントを投稿しよう!