織読いとかの恋愛相談

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織読いとかの恋愛相談

「いとかの恋愛相談ちょー当たるよね!占いみたーい!」 「まじいつも助かってる!自分は彼氏いないのにすごい!」 「本が彼氏って感じなのに笑」 「あんたら一言、いや二、三言多いんだよ!」 褒めてるんだか貶してるんだかわからない友達たちにキレつつ振り返った。 「わー怖っ!じゃーまたね、いとか」 「わたしも今日は駅チカ行くからまた明日!」 「はいはい!私は図書館行くからここまでね!じゃ」 2人は賑やかに話ながら地下通路に消えて行った。 ふぅ…と一息つく。 いい子なんだけどやっぱ自分とはノリ違うよな… 私は本来ならスクールカーストでいう下のグループに入る人間だろう。 だけどこの『運命の糸が見える能力』でリア充グループに入れてもらっている。 いわゆる運命の赤い糸ってやつだ。私はなぜか生まれた時からそれが見えた。 地味な中学生時代を過ごしたのち高校では変わると決めた私は運命の糸を見えるのを活かして恋愛相談屋になったのだ。 とはいえ今まで恋愛と縁のない地味グループからの転向だ。必死にモテテク本、恋愛テク本から果ては必読!相談される上司のなり方!などという高校生が読みそうにない本まで読み漁り準備に準備した。 結果は大繁盛。なにせ必ず当たるのだから。 多少アドバイスがぎこちなくても結果に勝る物はない。 「いーとか!3組の白木さんがまた相談乗って欲しいって!」 「りょーかい、今週は金曜放課後空いてるって言っといて」 「いとか!すごいね!どんどん相談するひと増えてる!そのうち有名人になっちゃうんじゃない!?」 「も〜おおげさだよ…」 私は苦笑しながら白木さんの予約をスケジュールアプリに書き込んだ。
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