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社長を支えたい
株式上場する事で会社を大きくする事ができる。
だけど、持ち株比率の関係で会社に対する権力が決まり、創業者の力は弱くなる。
「起業するにあたり、任天社から資金援助を受けてたからな」
株式会社Orangeの会社設立に関して、福岡にいた私は関わっていない。
ただ、任天社が株式の3割を所有していて、実質的に会社支配を行うことができる立場でいた。
「Orangeは子会社化されるだけで、……問題はない」
任天社の代表取締役社長との話し合いでOrangeの経営は佐久間社長に一任すると言われたが、その条件に代表取締役社長の孫娘と結婚するよう言われ、佐久間社長は苦悩していた。
「……会社のために結婚はしたくない」
2次元の女性しか愛せない佐久間社長。
産まれてから28年間、3次元の彼女はいなかった。
「心音、一緒にまたゲーム会社を設立しないか。それか、任天社以外の会社に転職する。着いてきて欲しい」
会社を手放すか、政略結婚に応じるか。
佐久間社長は会社を手放す事に決めたようだった。
「どこまでも着いていきます。佐久間さん」
贅沢をしなければ一生暮らせるぐらいのお金をOrangeで稼がせて貰った。
だから、仕事を失う事は怖くない。
“闘神伝説”と“天地崩壊クエスト”も配信から7年と4年。悲しいけれど廃れてる。
サービス終了を考えていた。
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