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廊下ですれ違うだけ。
全校集会で見かけるだけ。
もうそれだけでも不快でたまらなかった。
それからも、七井が授業の最中に保健室に行くことは続いていた。
幸助は自分の授業内容に自信があった。
七井以外の生徒からは慕われていたからだ。
わかりやすい授業。
そんな評価を生徒、保護者、教頭からも受けていた。
自分に非があるとは思えなかった。
七井が退室することが日常化していくにつれ、苛立ちばかりがふくれていく。
幸助に彼を心配する気持ちなど生まれようがなかった。
具合が悪いという発言は、幸助に対する嫌がらせとしか思えなかった。
更に気に食わないことに、七井の成績は常に上位にあるのだ。
もちろん、幸助のテストも平均点よりはるかに上をキープしていた。
それは、授業に参加していなくても点数はとれるのだと嘲笑っているように思えた。
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