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名もなき池はやや登ったところにあり
成り立ちについては想像するよりほかありません。
低地に向かい水路を形成して、流れ出ていました。
田畑を潤し霞ヶ浦に注ぎ込むのでしょうか。
この池個人の御宅のすぐ隣なので、その方の苗字をとっているのかもしれません。まてよ苗字帯刀を許される人は限定されるしなあ。
でも、いいなあ、と。
好きな名前をつけても、いいよとか、だったらいいなあ。
私だったらなんとつけようか?
小田家の陪臣 掛馬治部左衛門は平伏している農民に云い渡しました。
「これよりのち末代にわたってこの池の守り人として、一切の殺生を行わず
池を維持していくように。その代わり、水は自由に使ってよい」
「ははー ありがたきことでございます。池に名をつけてもよいですか?」
「名だと、面白いことを申す。たかが池に。して何という名にしたい?」
「お殿様の名を頂戴してよろしいでしょうか?」
「そうだな。大きい方は掛馬池でよいだろう。小さい方はなんとする」
「では、稲荷神社のおそばに仕えるので狐池と」
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