1章. 真莉の告白と優菜の返事

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お風呂が沸いたメロディが鳴り、優菜がキッチンでまだ洗い物をしている俺のそばに来る。 「このシャツ、パジャマにしていい?」 「新しいの、出すよ」 油はねしたんじゃないのか? 慌てて泡だらけの手をぬぐって寝室に行こうとしたら、優菜が自分で勝手に出すという。 「別にいいけど、今日は俺が出すから」 さっきみたいな前カノのブツが出てきたら困る。覚えてないけど、それこそ下着とか出てきたら絶対困る…! 優菜は今度はついて来なかった。 俺から白い長袖のシャツを受け取ると、ニコッと笑った。 …近いうち服を全部ひっくり返して、怪しいものがないかチェックしとかないと。 異様に時間がかかった洗い物を終え、ソファに座ってホッと息つく。 妙に高鳴る自分の心臓… もしかしたらこんな気持ちは初めてかもしれない。 おかしいな。 恋人と呼べる女の子と夜を過ごすのは初めてじゃないのに… 「…このシャンプーいい匂い…!」 濡れ髪のまま、優菜がリビングに戻ってきた。 「…真莉ちゃんと同じ匂いがする」 俺の横にポスン…と座った優菜。 こんなあどけない顔は、初めて見る… けど………。 「家で1人で過ごす時と同じでいいでしょ?真莉は恋人だから、もうカッコつけなくていい?」 「うん、もちろんいいよ」 いいけど… いろいろ目のやり場に困ってる。 目のはしに映る白い太ももは、破壊力最強なんだが。 「…ジャージ貸そうか?足、寒いだろ?」 「ん?いつもこんな感じだから大丈夫」 知らん顔して目の前を通り過ぎる。 俺の気も知らないで… 風呂から出てみれば、ベッドですやすや眠る優菜に気づいた。 壁側に寄って、ちゃんと俺が入る場所を空けている… なにこれ。 キスも頭真っ白で記憶にないのに、今度は理性を失わせる気? どうこう考える前に勝手に体が動いて、ベッドの空いたスペースに横になった。 優菜の温もりで毛布の中があったかい… 「ごめん…先に寝ちゃった、」 寝ぼけた声でそう言いながら、モゾッと体を動かした。 そのタイミングで、首もとから腕を入れて抱き寄せる。 「…いいよ。疲れたろ?おやすみ」 俺は、おやすみできそうにないけど。
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