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祖母に頼まれた買い物が終わり帰路に着く。祖母はもう80歳を過ぎていて1人で買い物に行くことすら容易なことではない。もちろん、見守る側としても心配は尽きない。だから、2週間に1度私が祖母の元を訪れた時には私がいつもより多めに買い出しに向かう。
買い忘れがないか祖母のメモ書きを確認する。すると、紙に一つだけチェックマークが付いていないものがあった。果物を買い忘れている。そう気づき足を止めた時後ろから名前を呼ばれ振り返る。
「美南!」
「あれ、雪夜じゃん。どうしたの?」
「どうしたのはこっちのセリフなんだけど、どうしたのその荷物」
「ああ、これおばあちゃんのおつかい」
「そっか、持とうか?」
「大丈夫だよ、一旦スーパー戻らないといけないから」
「買い忘れ?」
「そうそう。だから時間かかるからいいよ」
「いや、往復するなら尚更手伝うよ」
雪夜の親切心を受け、優しさに甘えることにした。ちょうどあの道は私がいつも通っていた図書館のある場所だ。偶然図書館から出てきた時に荷物を持った私を見つけたのだろう。
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