39人が本棚に入れています
本棚に追加
離れたくないシュガートースト
腕を振り払えば手を離してくれるのは分かってる
だって力がこもってないから
それなのに戻って来たのは私が選んだ事で、
李虎くんは何も言わないけど
もしここで逃げたとしても何もしないと思う
ドアを開けてくれたから中に入ると響軌くんと
妃香ちゃんが来てくれたから
「さっきはごめんなさい」
「つきっちが無事なら良いっす」
「そうだよ、謝らなくて良いんだからね」
「月ちゃん1人で行けるか?」
「うん、でも、」
「柊臥くんは待ってるよ」
「何も言わなくて良いから、聞いてやれ」
「うん」
階段をのぼるたびに足が重たく感じるけど
今の私に出来る事は柊臥くんに会って、
話しを聞く事だけ
本当は会いたくない
本当は話しを聞きたくない
でも本心は————ちゃんと向き合いたい
私ってこんなに面倒な人だったんだな
最初のコメントを投稿しよう!