離れたくないシュガートースト

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離れたくないシュガートースト

腕を振り払えば手を離してくれるのは分かってる だって力がこもってないから それなのに戻って来たのは私が選んだ事で、 李虎くんは何も言わないけど もしここで逃げたとしても何もしないと思う ドアを開けてくれたから中に入ると響軌くんと 妃香ちゃんが来てくれたから 「さっきはごめんなさい」 「つきっちが無事なら良いっす」 「そうだよ、謝らなくて良いんだからね」 「月ちゃん1人で行けるか?」 「うん、でも、」 「柊臥くんは待ってるよ」 「何も言わなくて良いから、聞いてやれ」 「うん」 階段をのぼるたびに足が重たく感じるけど 今の私に出来る事は柊臥くんに会って、 話しを聞く事だけ 本当は会いたくない 本当は話しを聞きたくない でも本心は————ちゃんと向き合いたい 私ってこんなに面倒な人だったんだな
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