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ドアをノックしたけど柊臥くんは出て来ないから
嫌われちゃったのかな
きっとそうだ
こんな面倒な人とは関わりたくないもんね
だとしてもこれが最後になるならきちんと話そう
それで柊臥くんの話しを最後まで聞こう
よしっ
「柊臥くん入ります」
ドアを開けて部屋に入るとソファにいるのが
見えた
「柊臥くん」
「何?」
「さっきはごめんなさい、話しをしたくて」
「聞きたくないんだろ?
だったら無理に聞く必要もないから」
「え?」
「それに謝るなって言ってるよな?」
「うん」
「帰るって言ったり戻って来たり、
何がしたい訳?」
「そう、だよね」
柊臥くんに言われて気付くなんて愚かだな
妃香ちゃんにも響くんにも李虎くんにだって
迷惑かけてるし助けてもらってるのに
私の言動で柊臥くんにまでイヤな思いをさせてる
だから柊臥くんに冷たく突き放す様な言い方を
されても当然だよね
「でも、それでも話したい」
「どうせまた途中で出て行くんだろ」
「行かないっ、話しを聞くって決めたから」
「へえー」
「手遅れなのは分かってるよ、でも・・・
柊臥くんの話しをちゃんと聞きたい」
「そう」
「もう逃げない」
最初から柊臥くんの話しを聞いていたら
こんな事にはならなかったんだよね
私は弱いから、傷つきたくなくて逃げたんだ
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