灰色の特急魔法使い

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灰色の特急魔法使い

前書き  書いていたら長編になりそうなので、プロローグだけ——ここに投稿したいと思います。  本編は、改めて書いてから投稿します。 _________________________________________ アルフ【男 十歳 金髪 黄金の瞳】 リサーナ【女 八歳 金髪 黄金の瞳】 *  僕の名前は【アルフ】アルフ・フレアそれが僕の名前だ。  僕は、二歳年下の妹【リサーナ】と母親と三人で楽しく暮らしていた。  そんなある日、僕達の家に強盗が入ると母親は殺され——僕達は誘拐された。  僕達が誘拐された先では、黒ずくめの男達が沢山居て僕達を囲むと 「で、どっちだ?」 「兄の男の方です」  そう言うと、僕の髪を掴むと魔法陣の中へと投げ込んだ。 「痛い——何をするんだ!」  そう叫ぶと、一人の男が 「今から血の刻印を行う。まぁ、簡単な儀式の……お前は、その為の生贄だ」 「僕が、何で!?」 「魔力が高いからだ。  儀式に使う人間は、魔力の高い者でないと儀式が成功しない。  だから、お前が選ばれたと言う訳だ。  分かったら、大人しく待ってろ!」 (待ってくれ……コイツら、何で——僕が魔力が高い事を知っている?)  僕は、ある日の出来事を思い出す。 *  それは、村での出来事。 「へッへーーん……僕は、こんな事も出来るんだぜ!」  そう騒ぐ僕は、子供なのにも関わらず大人でも使えない魔法が使えるうえに魔力量も桁外れに高い事を友達に自慢していた。 *  僕は、馬鹿だった……人が出来ない事を自慢して天狗になったせいで、コイツらに魔力量が高い事がバレて狙われる事になった。  そして、リサーナも危険な目に遭わしている。  しかし、僕の後悔は遅かった。 「おい、準備ができた。  始めるぞ……」  そして、魔法陣が赤く光出すと……黒い煙の様な物が発生する。  すると、その煙はウネウネと動き出し僕に襲いかかって来た。 「うわぁぁぁ!!! 何だこれ——離せ……くそッ! 触るな!」  僕の叫びも虚しく黒い煙は、必要以上に僕に絡みついてくる。  その時、妹のリサーナが叫びながら魔法陣に飛び込んで来た。 「お兄ちゃーーーん」  すると、黒い煙は僕から離れて——代わりにリサーナを標的に変えた。 「やめろ……やめろ。リサーナに触るな!」  僕は、必死に煙を掻き分けてリサーナに近づこうとするが、煙に邪魔をされて——まったく近づく事が出来ない。  そんな事をしていると、僕は黒い煙により魔法陣から弾き飛ばされた。  すると、全ての煙がリサーナに集まるとリサーナは地面の中に吸い込まれて行った。 「リサーナ——ッ!!! リサーナ——!!!」 * 「おい、女の方が吸い込まれたけど——大丈夫なのか?」 「血の刻印は、成功している。  あの女も魔力を持っていたのだろう」 「ならいいけど……所で、兄の方はどうする?」  妹の名前を呼び続けながら、おかしくなっちまったみたいだけど……」 「兄貴の方は、次の——血の刻印の材料に使えばいいだろ。   少し、おかしくなっちまったみたいだけど——別に問題ないだろ」 *  そう、僕は——この時、現実を受け止めきれず。  リサーナの名前を連呼しながら……呆然としていた…… 「リサーナ……リサーナ……リサーナ……リサーナ……リサーナ…………」  すると、僕は散らばった物の中の一冊の本に目が止まる。  それは、悪魔召喚の本……何を考えたのか、おもむろに本をめくると現れた魔法陣にありったけの魔力を注ぎ込んだ。  すると、本の中の魔法陣が光出す…… (この本が僕の運命の一冊になった事は言うまでもない。) 「何してやがる——このガキ!!!」  僕は、黒ずくめの男に思いっきり蹴り飛ばされた。  僕は、宙を舞い壁に叩きつけられた。 「ぐはぁ……」  そして、また男が僕を殴りに来ると——僕の目の前に悪魔が現れて、男は静止した。  それもそのはず、召喚された悪魔は——赤髪に赤いドレスを見に纏った。とても、美しい女性だった。  そして、召喚された悪魔は——男を見ると…… 「私を召喚したのは……貴方ではないわね。  なら、その後ろの貴方……でも、なさそう……」  そして、後ろを向き地面に倒れる僕を見ると—— 「貴方が、私を召喚したのね。  で、お望みは何かしら……?」 「妹を助けたい……」 「妹さん……?」 「おい、ふざけるな! もう、儀式は終わった。  あの女を助けるのは、絶対に不可能だ!」 「儀式……ああ、血の刻印の儀式の事か。  確かに、助け出すのは難しいけど……飲み込まれて、すぐの今なら——まだ待に合うかも……しれない? わね……」 「リサーナは、助かるのか!?」 「絶対では、ないけど……可能性はあるわ」 「なら、頼む。力を貸してくれ!」 「対価は、どうする?」 「無事に妹を助けてくれるなら、何だって払ってやる。  だから、早く助けてくれ!」 「言ったわね。  なら、報酬は助け出した後で頂く事にするわ。  でも、前金として右腕を頂くわ……」  すると、悪魔は僕の右腕をむしり取ると——それを食べ出した。 「ゔゎがぁぁーーーッ!!!」  僕は、悲鳴を上げながら左手で右腕の出血を抑えた。 「何してやがる——このアマ!!! そのガキは、次の儀式の材料にするんだ。  勝手に手を出すんじゃねーー!!!」 「五月蝿いゴミね……。  ちょうどいいわ、貴方達を扉を開く為の生贄にさせて頂くわ……」  悪魔がそう言うと、男達は擦り潰されて——床は、一面血の海とかした。  そして、魔法陣が再び輝き出すと……黒い煙が立ち上がり——扉が開かれた……。 「私が、引き上げてあげるから心配しないで行ってらっしゃい」  悪魔は、そう言うと——僕を黒い煙()の中に投げ入れた。 *  扉の中に入った僕は、黒い煙の中を掻き分けながら進む…… 「リサーナ……リサーナ……」  首元には、伸びる悪魔の手が巻き付かれて居るのが感じ取れる。  だから、僕は怖がる事なくリサーナを探す為に奥へ奥へと進んで行く……  すると、声が聞こえた。気がしたので、そちらの方に進むと……意識を失ったリサーナを発見する。  僕は、必死に残った左腕を伸ばすがリサーナには、届かない…… 「くそッ……もう、ちょっとなのに……」  僕は、もっと先に進もうとするが——それ以上先には進めない。  悪魔の伸びる腕の限界か来たみたいだった。  僕は、大声で叫んだ! 「リサーナ!!! リサーナ——!!! リサーナ……」  しかし、反応は無い。なので、僕は悪魔に 「悪魔——ッ! 他に手は無いのか!?」  すると、悪魔の腕からメッセージが伝わって来る。 「…………分かった。  どの道、妹を助けたら後は、お前の自由だ。好きにしてくれ」  すると、僕の右腕があった場所に——真っ黒な腕が生え出すと、僕は——その腕を使ってリサーナを捕まえる事に成功した。  そして、リサーナを強く抱き締めると——悪魔の手は縮みだし僕とリサーナは外へと脱出する事が出来た。 * 「リサーナ……リサーナ……リサーナ! リサーナ、リサーナ、リサーナ!!!」  僕が、何度もリサーナに呼び掛けるが——全く反応がない。 「リサーナ、リサーナ、リサーナリサーナリサーナ!!!」  すると、悪魔が…… 「魂が連れて行かれたのね」 「魂……?」 「ええ、体は無事だけど魂が抜けていたら——妹さんは、死んでいるも同じね。  まぁ、そんな事は——どうでも良いから。早速、対価を頂こうかしら……」  すると、悪魔は少しずつ悪い顔になって行く…… 「ふざけるな! 僕は——妹を助けて欲しいって、頼んだじゃないかッ! これじゃ、約束が違う。妹は、本当に死んだのか?」 「そんな事を言っても、やれるだけの事はやったわ……妹さんだって、ここにいるじゃない」 「リサーナは、死んだのかと聞いているんだ」 「死んではいない。  あちらから魂を連れ戻せれば……生き返る」 「なら、これじゃ駄目だ……  悪魔、妹を助けたら対価なんて、いくらでも払ってやる。  だから、もう一度——僕を向こうに送ってくれ……」 「それは無理、次に貴方を向こうに送ったら引き上げる事が出来るか分からない」 「それでもいい……やってくれ!」 「それも無理、悪魔は契約が一番大事なの。  だから、貴方を手伝ったのに報酬を貰えないのは契約違反……」 「解約違反をすると、どうなるんだ!?」 「それは、教えられない……  だから、これ以上は無理——早く対価を払ってちょうだい」 「僕は、無事に妹を助けだしたら。と、言った。  無事とは、取り立てて言うほどの変わった事がないこと。  危険・不幸・大過などが起こらない状態。「航海の―を祝う」「試験も―に済んだ」。健康でいること。  これは、どう見ても健康ではない」
 「なら、どうするの? 私だって対価を貰わなければいけないし……  今すぐ貴方の妹を助ける事は、出来ないし……」 「魂と言うのは、すぐに消滅するものなのか?」 「いえ、魂はそうそうすぐには消滅しないわ」 「なら、妹を助けるまでは——契約続行だ。  頼んだぞ、悪魔——それまでは、報酬は無しだ。  これなら、契約違反にならないだろ」 「…………はぁ……」  悪魔は、深いため息を吐くと——渋々納得してくれた。 「ならば、私がコチラの世界に留まる為に新たな契約を施すから手を出してちょうだい」 「悪い契約じゃないだろな……」 「違うわよ!」  そう言ったので、手を出すと僕の左手には刻印が刻まれた。 「これは、簡単な主従の契約よ。  これにより貴方が私の主人となる為、コチラの世界に留まる事ができる様になったわ。  後は、この娘の体ね……」 「このままじゃ駄目なのか?」 「ゔぅ〜ん……腐るかもしれないし。  変な魂が入ったらアンデットになってしまうわ。それでもいいなら……」 「駄目に決まってるだろ」 「なら、仕方ない……」  悪魔は、そう言うと——リサーナの体に入っていった。  すると、リサーナは目を覚まし起き上がった。 「リサーナ!!!」 「違うわよッ……」 「なら、なんて呼べばいい?」  僕達は、改めて自己紹介をした。 「僕は【アルフ・フレア】アルフと呼んでくれ」 「私は【リィズァイヤ】リズと呼んでちょうだい。  所で、これからどうするの? 主人様」 「主人様……? まぁ、一応はそうなるのか。  とりあえず、リサーナの魂は心配ないって事なら——一度、僕達の家に帰ろう。  母さんも心配していると思うから……」  そう言うと、僕達は家に帰る事にした。  道中、リサーナの事は母さんにバレない様に注意してとリズに伝えると、リズは面倒くさそうに返事をした。  そして、村に近づくと——何やら焦げ臭い匂いが漂って来た。  僕達は、とくに気にする事もなく家路を急ぐと——焦げ臭い匂いは、どんどん強くなっていく。  すると、僕達を見かけた村の人は血相を変えて近づいて来ると——僕達は、驚くべき事実を告げる。  村人の話によると——僕達の家は、盗賊の襲撃で火をつけられ——跡形もなく燃えてしまったらしく。  その焼け跡からは——女性の遺体が発見され……僕達の母である事が判明した。  しかも、その遺体は——焼かれる前に何者かに刺された傷があり。  僕達が盗賊に攫われたのではないかと村人皆んなで心配していたのであった。  この時、僕の頭の中は色んな事が起こり過ぎて何も考えられなくなっていた。  それから、僕達はリズの事は伏せて——全てを話した。  なお、自分達が助かったのは、術が失敗して盗賊が皆んな死んだ為に無事に帰って来る事か出来たと説明した。  そして、次の日の朝。僕とリズは、焼け落ちた家の前に立つと…… 「ごめん……母さん。  僕が馬鹿だったから母さんも殺され——リサーナも居なくなった……」  僕が発した言葉のせいで、妹の魂は連れて行かれ。  母親は、殺された。  しかも、殺した相手は——もう居ない為に自分を責める事しか出来なかった。  そんな時、僕は——母さんにいつも言われていた言葉を思い出す。 「お兄ちゃんなんだから妹のリサーナは、貴方が守るのよ」  その言葉を思い返し——。 「母さん……約束するよ。  リサーナは、俺が必ず助け出す」  すると、僕の髪は金色から真っ白な白銀へと変わっていった。
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