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ドアを開けて会議室を出ると、「お?潤!」と声がして二人は振り返る。
隣のネットワークソリューション課の課長、平木がニヤニヤと近づいて来るのが見えた。
「なんだなんだ?みーちゃった。潤、望月ちゃんと二人で何やってたのー?」
潤と同期の平木は、いつも明るく面白い性格から、潤とはまた違う魅力でファンの女性社員も多い。
背も高いし、黙って真面目な顔をしていればなかなかかっこいい、と真美の周りの女子達も話していた。
今はニヤけた顔で、ふざけた小学生男子のように潤の肩を抱いているが……
「別に。仕事の話に決まってるだろ」
潤が平木の手を解きながら答えると、平木は「ほんとにー?」と潤の顔を覗き込む。
「いつも女の子と二人の時はドアを閉めないジェントルマンな潤くんが?今はバチコン閉めてましたよね?なーにやってんだか?ねえ、望月ちゃん」
急に振り返られ、真美は慌てる。
「いえ、あの。本当にお仕事のお話を……」
「へえ、二人とも手ぶらで?」
うぐ、鋭い……と真美は思わずたじろぐ。
「ま、いいや。今日のところは見逃してあげよう。望月ちゃん、今度俺とも密室で仕事の話しような」
「バカ!何言ってんだ、お前は」
咎める潤をサラリとかわしてから、じゃあねー!と軽く手を挙げて平木は去って行った。
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